2019年3月27日 圧倒的な赤字が出てしまう企画が面白い

3月27日(水) ※3月29日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
昨年、会社のお金で美術館の土地を買ってしまい、「2019年3月までは1円も使うな!会社が潰れるぞ!」とスタッフさんから鬼のようにキレられて、この3月でようやく解禁になったと思ったら、今朝、「お金を使うな月間を再開します!」という問答無用のお達しがきたキングコング西野です。
#再開が早い

さて。
どういうわけかウチの会社にはお金がありません。
いや、「どういうわけか」は嘘です。原因は明白です。
入ってきたお金をメチャクチャ使っているから、お金が無いのです。

『ほんやのポンチョ』を作ったり、
『チックタック ~約束の時計台~』を作ったり、
Webサービスを作ったり、運営したり、
えんとつ町のプペル美術館』の土地を買ったり…とにもかくにも、入ってきたお金は全額エンタメにブチ込んでいます。
くわえて、クラウドファンディングやオンラインサロンで日本一目立っているので、税金まわりもメチャクチャ綺麗にしております(つまり、税金をメチャクチャ払わせてもらっております)。

おかげで生活レベルは高校時代となんら変わらないのですが、もともと贅沢の類いには一切興味がないので、全然構いません。
コンビニの蕎麦と缶ハイボールさえあれば、幸せです。

しかしスタッフさんはそうはいきません。
「西野がプライベートで節制すれば済む」という程度のピンチじゃないからです。
会社ごと潰れるピンチが頻繁にやってくるのです。

とくに今回の個展(4月28日~5月12日)は、計画当初は制作費が1500万円だったものが、もろもろ重なって4000万円をオーバーする見込み。
昨夜、田村Pから「クラウドファンディングのリターン(西野の講演会)を追加するぞ!」と慌てて連絡がありました。
どうやら、相当ピンチのようです。
田村P、頑張れ!

(※西野の講演会を開催できる権利を追加しました↓)
https://silkhat.yoshimoto.co.jp/projects/592

でも、だからといって、やはり入場料を大きくとるつもりは僕にはなくて、4000万円を回収するつもりなど毛頭ありません。
入場料は大人500円、子供無料です。

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予算を回収できない企画に手を出す
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僕が、このような赤字人間になってしまったのは、絵本『えんとつ町のプペル』の構想を練っていた頃まで遡ります。

「世の中に存在しないような企画は何だろう?」と考えに考えた挙げ句、「企画会議段階でソッコーで落とされる企画」と結論し、「企画会議段階でソッコーで落とされる企画って、何だろう?」と考えに考えた挙げ句、「誰がどう見たって、圧倒的な赤字が見込めてしまう企画」と結論しました。

「『えんとつ町のプペル』はどうすれば圧倒的に赤字になるだろう?」というところから考えて、『分業制』に至り、あんな絵本が完成したわけです。

予算を管理するスタッフさんからすると、たまったもんじゃありませんが、僕はよく「このまま普通にやると赤字にならない企画を、どうすれば赤字にできるか?」ということを考えます。

今回の個展なんてまさにそうで、シンプルに光る絵本だけを展示していれば回収できたところを、「満願寺そのものを光らせよう。そして入場料は、あんまり取らないでおこう!」とか言い出したものですから、凄まじい赤字が誕生することとなりました。

スタッフさんには申し訳ないですが、僕個人的には結構ニヤニヤしちゃっていて、というのも、こんな無駄なことを誰もやらないからです。
つまるところ、

「圧倒的赤字企画には競合がいない」

です。

全員がコスパを求めている時代にコスパを求めるなんてコスパが悪すぎて、とにかく今は「面白い」に針を合わせた方が良い。
そこさえブレなければ後で何とでもなる(スタッフさんが何とかしてくれる)と思っています。
そんなことを続けているうちに、国内最大となったこのオンラインサロンが良い例かもしれません。

赤字の中にアイデアは眠っていて、今は、クラウドファンディングやオンラインサロンといった「赤字人間を生かしてくれる装置」があるので、『赤字』で検索をして、「これ、メチャクチャ赤字が出るけど、メチャクチャ面白い」という企画を掘り起こしてみるのもいいかもしれません。
副作用として、スタッフさんからブチギレられますが、オススメです。

現場からは以上でーす。

【追伸】
3月31日に20人限定で呑み会(東京)を開催します。会場はスナック「CANDY」です。

こちらにら絵本『チックタック ~約束の時計台~』が30冊付いていますが、メルカリで売ってもらっても構いません。
むしろ、転売された方が売り場面積が増えるし、宣伝になるしイイじゃんって思っています。

もちろん、お友達にプレゼントしてもらっても。
(プレゼントしてもらえるのは嬉しい)

http://nishino.thebase.in/items/18697071